社会人の働きながら公認会計士試験攻略法:短答では計算を得意にする【計算で得点力を上げる勉強法】

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社会人の働きながら公認会計士試験攻略法:短答では計算を得意にする【計算で得点力を上げる勉強法】

 

今回からは、社会人が働きながら公認会計士試験合格の現実と攻略法のまとめ に記載の目次の
第二弾「試験形式に慣れる」の内容に入っていきます。

今回お伝えしたいことは、短答の試験形式に慣れるまでは、6つのステップを踏む、という考え方です。自分が実際に行っていた方法を共有します。

 

そもそも「試験形式に慣れる」ことがなぜ必要なのか?

 

私の見てきたサンプルの中では

いくらしっかり勉強しても、そもそもの試験形式が苦手で合格できない人が複数いました。

例えば
・短答式試験であれば、計算を理解していても、問題になるとどうしても得点できないため、理論中心に点数を稼ごうとして、得点が当日の出題運にかなり左右されてしまう。
・論文式試験であれば、理論を頭で理解していても論理だてて文章を書くのが苦手で、必要最低限の文章が書けず合格できない。

というパターンです。

つまり、理解していても、解答という形で表現することができないということです。

 

短答では計算
論文では記述

当たり前ですが、イヤでも「計算」「記述」この2つの形式に慣れなければ、通常ルートでの合格は難しいと思います。
可能であれば「得意だ」と言えるところまで持っていきたいところです。

そんなこと誰もが頭では分かっていると思いますが
苦手なことに慣れるまでの道のりはとっても辛く、苦行とも言えると思います。

 

何を隠そう、私も計算が大の苦手で、計算は間違えるわ、時間をかけても全然問題が解けないわ、
頭では理解できていても試験問題が全く解けないわで
公認会計士試験なんかになぜチャレンジしてしまったんだろう、と何度も後悔していました。

 

しかし、腹を括って一つ一つステップを踏んでいったら、あるとき「計算に慣れた」という感覚を掴むことができました。
そこからは、初見で模試を解いても、安定して得点が取れるようになりました。

 

それまでにどんなステップを踏んだかを紹介します。
時間がない中、逃げ出したくなりますが、諦めないで続けてみてください。

 

「計算に慣れる」までの6段階のステップ

 

計算に慣れるまで、私は以下の6つの段階を踏みました。

第1期:テキストの内容が理解できない

第2期:例題を解いても数日後に忘れる

第3期:問題集を一問解くのに30分以上かかる、しかも不正解

第4期:問題集を一問数分で解ける、ほぼ正解

(→ここまで来たら、ゴールはもう少し)

第5期:問題集(答練)の内容を覚えてしまっている、が他校の答練や過去問を解くと結構解けない

(→ここで終わると本番で点が取れない)

第6期:どんな問題でもおおよそ解ける

(→ここまで来て「慣れた!」と言える)

 

中でも一番大事だと感じたのは、第5期です。
その次に大事なのは、第3期です。

ここからは、第1期からステップを一つ一つ説明していきます。

第1期:テキストの内容が理解できない

 

まず第一の段階は、インプット期にありがちなのですが、テキストの内容が理解できないこと。
ここでは私は「7割方分かったら読み飛ばす・聞き流す」という方法を採りました。

この方法は唯一絶対ではなく、インプット期で分からない所をきちんとクリアにしておくことが大事
という考え方も当然あり、どちらを採るかは人それぞれだと思います。

しかし、私は

・社会人受験であり、とにかく時間が限られていたこと

・問題を解いて分からない所を調べる段階で、理解が大きく進むと考えたこと

・試験に合格するにあたって、テキストの内容をすべて理解する必要はないと考えたこと

上記の理由から「テキストの例題が解けるレベルで最低限内容が理解できていれば、引き返さずに先のページに進む」ということを実践していました。

 

また、テキストのインプットはとにかく早く一周終わらせて、問題集に早く取り掛かることを意識しました。

 

第2期:例題を解いても数日後に忘れる

 

次の段階は「せっかくテキストを理解して例題も解けたのに、数日後また解いてみると忘れている」というものです。

こればかりは、人間の性質なので仕方がありません。

唯一の対策は「繰り返すこと」です。

具体的には、以下の2つを行っていました。

・その日の終わりに、当日読んだテキストの例題を、もう一度眺める

・前日に読んだテキストの例題を、次の日の朝に解き直す

・一週間前に読んだテキストの例題を、もう一度眺める

 

学習法では有名なお話ですが、エビングハウスの忘却曲線という概念があります。

 

bokyakukyokusen

 

何かを学習したとして、もう一度それを学習する負担をどれだけ減らせるかというのを
節約率とします。すると

・20分後には、節約率が58%
・1時間後には、節約率が44%
・9時間後には、節約率は35%
・1日後には、節約率が34%
・2日後には、節約率が27%
・6日後には、節約率が25%
・1ヶ月後には、節約率が21%

 

となり、学習して1日経てば、もう一度それを学習しなおすのに
初学習のときのコスト:100%-節約率:34% = 66%のコストがかかってしまうという考え方です。

つまり、学習して1日後に復習したら、初学習のときとそこまで変わらない労力がかかってしまうよ、ということです。だから、例題の解き方を忘れてしまうのは当たり前なんです。

 

なので、

・当日中に読み返す(9時間以内)

・次の日の朝に解き直す(1日以内)

・一週間後に読み返す(約6日後)

の3回繰り返せば、時間を掛けずに覚えられるよ、という方法を採りました。

これは、インプット期の時間を節約するうえで、中々の効果があったと感じています。

インプットで何度も引き返して、時間を使いすぎることは出来るだけ避けたかったこともあり
この忘却曲線を意識した例題の復習を中心とすることで
インプットへの引き返しは最小限にとどめるようにしました。

 

第3期:問題集を一問解くのに30分以上かかる、しかも不正解

 

第3期は、インプットを終え、問題集を解く段階に入ったが、とにかく問題を解くのに一苦労する
という段階です。

ここで私の採った対策は「1分ペンが進まなければ、答えを見る」です。

 

少なくとも私は、初見で問題集が解けたことは数えるほどしかありませんでした。

ほとんどは

初見は答えを見る→見よう見まねで解く→問題集を一周する→また問題集を一周する

の繰り返しで、だんだんと解けるようになっていきました。

 

自力で解くことにこだわらず、解き方が全く思い浮かばなければすぐに答えを見る。
そして、見よう見まねでもう一度すぐ解き直してみる。

という方法を採ることが効果的と感じました。

また、もう一つ大事なのが「問題集を一週間以内に一周して解き直すこと」です。

理由は、忘却曲線の際に説明したとおりで、一週間以上経つと再度学習するのにコストがかかるからです。

はじめのうちは問題集を一周するのが苦行で仕方ありませんが

一週間以内に問題集を一周して解き直す、というゲームだと思って何周かしていると、この第3期を脱出することができました。

 

一週間以内に問題集を繰り返すということを考えて一日あたりの学習量を考えると
自然に具体的に学習スケジュールが立てられるので、スケジュールを立てる上でもこの考え方は有用でした。

 

第4期:問題集を一問数分で解ける、ほぼ正解

 

第4期は、第3期の延長線上にやってきます。

「問題集を一週間以内に一周する」を繰り返すと自然に到達すると思います。

ここでのポイントは「正答率を100%まで高める」ことです。

 

解き方が分かっていてもケアレスミスで間違えるという失敗を、私は良くしてしまいました。

ケアレスミスによる失点は非常に勿体ないですし、傾斜配点の場合は、他の人が出来た問題を落とすということで、得点を大きく下げてしまう原因になります。

この段階では、ケアレスミスをなくして必ず正解することを意識して取り組みました。

具体的には、間違えた問題があった場合、その問題に正解するまで同じ問題を解き直し、次に進まない、というルールを設けて問題集を解いていました。

 

そして、下記のような記録を問題集の表紙にメモ書きで残し
全問正解するまでは少なくとも問題集を繰り返していました。

mondai

第5期:問題集(答練)の内容を覚えてしまっている、が他校の答練や過去問を解くと結構解けない

 

第4期の延長線上に第5期がやってきます。

問題集や、直前期になると答練を繰り返し解くことで、正答率がほぼ100%になっている状態です。私は、第5期の状態が一番の落とし穴であり「試験形式に慣れる」一番のキモだと思っています。

 

この状態で、模試や過去問、自分の普段使っていない予備校の答練を解いてみると

まさかとは思いますが結構問題が解けなかったりしました。

 

問題を見て「あ、いつも解いている感じと違う」という状態になり
そのままペンが止まる⇒回答を見る となってしまったことを鮮明に覚えています。

当然、この状態で本番に臨んでいたとしたら、9割方落ちていたでしょう。

 

第5期では「いつもと違う形式(模試、過去問、他校の答練など)の問題を解いてみて、様々な試験形式に慣れる」という対策を、私は採りました。

 

具体的には、CPAの答練問題集が非常に安価だったので、財務会計、管理会計の答練問題集を購入して解いてみたのと、試験の過去問を5年分ぐらい解き直してみました。

公開模試は、解く時間が無かったので、どんな問題が出ているか、サーっと問題をめくって眺めてみました。

これを行うことで、今まで解いていた問題集や答練の知識が、ただの暗記ではなく
応用可能な知識として使えるようになってきます。

ここまでやって、初めて私は「計算に慣れてきた」と感じることが出来ました。

 

第6期:どんな問題でもおおよそ解ける

 

第5期で、様々な試験形式の問題を解き、コンスタントに得点を取れるようになると、第6期がやってきます。

ここが、計算に慣れるゴールです。

過去問を何度か解いて、本番の試験形式にも慣れているでしょうし、多少本番の形式が変わっても、なんとか得点をかすめ取る実力がついてきているはずです。

私は、この段階に来るのが、確か短答本番の3日前ぐらいでした。

それほどギリギリでしたが、理論で点を取り切ろうと計算を捨てて逃げるのではなく、ここまでやりきったからこそ、本番で安定した得点がとれたのだと考えています。

 

 

財務会計も管理会計も、計算ならステップは一緒

 

この6つのステップは、財務会計に限らず、管理会計でも同じだと思います。

もっと言うと、論文式試験の科目である租税法や
選択科目の一つである経営学のファイナンス論点の計算問題なども
濃淡は違えど、大まかなステップは一緒だと考えていました。

 

とはいえ、特に財務は、習うより慣れろ的要素が強いので
管理会計よりも一つ一つのステップを卒業するまでの時間が多くかかったのは事実でした。

とにかく、諦めないで反復し、ステップを一つ一つクリアしていき
「試験形式に慣れる」第5期を超えるまで到達することが、短答を勝ち抜くカギだったのでは、と
私は考えています。

 

次の記事では、論文式試験において「記述に慣れる」ためのステップや対策を書いていきます。

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