公認会計士とは?税理士や米国公認会計士との違いをわかりやすく解説

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公認会計士とは?税理士や米国公認会計士との違いをわかりやすく解説

 

「公認会計士 とは」と検索している方って、とても多いんですね。
言われてみれば、公認会計士って結局何なの?と思われる方、とても多いと思います。

・公認会計士は税理士と一括りで扱われることも多いけど、税理士と何が違うのか?

・米国公認会計士(USCPA)との違いは何なのか?

試しに色々と検索してみても難しい言葉や条文だらけ
結局のところそれぞれの違いが何なのか、感覚的に分かりづらい。

 

そこで、今回は、公認会計士・税理士・米国公認会計士の違いを、分かりやすさ重視で紹介したいと思います。

細かい部分が雑かもしれませんが、ざっくりということでご容赦ください。

 

ざっくり公認会計士・税理士・米国公認会計士の違い(図)

まずは、こちらの図をご覧ください。

 

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それぞれ赤マルで囲った部分が
公認会計士・税理士・米国公認会計士の仕事のメインフィールドです。

 

つまり、公認会計士は

・企業の財務諸表の開示(例えば、トヨタのIRを参照)が適切かどうかをチェックする「監査」
(粉飾決算で業績を良く見せるなど、適切でない開示がまかり通ると、企業の株主が損をしかねないので困りますね。)

をメインフィールドにしています。

これは、公認会計士の資格がないと実施できません。これを「独占業務」と呼びます。
弁護士の弁護や、医師の医療行為と同じです。

 

そして、税理士は

・税務申告(確定申告など)の代行や、税務に関する相談対応業務

をメインフィールドにしています。

これは、税理士の独占業務です。
つまり、税理士でない者が、個人や法人の具体的な税務相談に乗ることは禁止されているのです。
(ただし、一般的な仮定に基づくざっくりした相談は「税務相談」にあたらないと言われています)

 

米国公認会計士は

・企業の従業員の一員となって財務等のお手伝いをしたり、コンサルティングを提供すること

をメインフィールドにすることが多いでしょう。

これは、米国公認会計士の独占業務ではないので、誰でも行うことができます。
とはいえ、米国公認会計士取得者は、一般の経理と比べて、プロとして見られるのは事実です。

また、アメリカでの会計士としての活動は、米国公認会計士の独占業務です。
そして、日本の監査法人で監査チームメンバーの一員になることは、米国公認会計士でも可能です。
ただし「監査報告書へのサイン」は独占業務にあたるので、米国公認会計士では出来ません。

 

 

ざっくり公認会計士・税理士・米国公認会計士の違い(表)

次は、上記の図を踏まえて、もう少し情報を追加した形で、それぞれの違いを表形式にまとめます。

 

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独占業務については先ほどご紹介した通りです。

専門性については、公認会計士は、主に財務会計に強みを持っています。

税理士は(もちろん財務会計も強いですが)税務全般に圧倒的な強みを持っています。

米国公認会計士は、これといった強い専門性は持ち合わせていませんが、会計からIT・経営にまつわるジェネラルな知識を持ち合わせているイメージが近いでしょう。

 

年収については感覚値ですが、下限を見るとそれぞれの資格でそこまで大きな開きはないことが分かります。

違いが現れるのは上限値になってくるでしょう。
米国公認会計士には(日本では)独占業務が存在しないので、例えば監査法人でパートナーになるとか、資格を活かした形で独立するという点は、公認会計士・税理士に比べると高いハードルがあります。

キャリアについては、公認会計士・税理士・米国公認会計士いずれも、勤務先は監査法人や会計事務所、経理だけに限らず、CFOや証券会社、経営企画やコンサルティングファームなど様々な拡がりがあることが特長です。

 

試験形式については、公認会計士とそれ以外で大きな違いがありますね。

公認会計士は複数科目一発受験形式の試験を3回も繰り返すのに対して
税理士・米国公認会計士は科目別試験のスタンプラリー形式をとっています。

 

要領よく進めることが得意な方は公認会計士の試験形式が
1つのことに集中して突き詰めることが得意な方は税理士・米国公認会計士の試験形式が
それぞれマッチしていると考えてよいでしょう。

 

合格率・学習期間については、公認会計士・税理士と米国公認会計士の間で大きな違いが見られますね。

公認会計士・税理士は、合格率10%台の厳しい戦いが必要なのに対して
米国公認会計士は合格率ほぼ50%となっています。

この違いが、学習期間にも表れているといえるでしょう。

また、税理士については、試験そのものの難易度もさることながら
会計事務所で働きながらコツコツ合格を目指す受験者が多いことも、学習期間を引き上げている要因のひとつでしょう。

 

公認会計士・税理士・米国公認会計士になるには何が必要なのか?

それぞれの違いがざっくり分かったところで今更ですが、次はそれぞれの定義を確認しましょう。

 

まず、公認会計士について。
「公認会計士」として登録し、独占業務を行うためには、以下が必要です。

・公認会計士試験の合格(短答式試験・論文式試験)

・2年以上の実務従事経験

・実務補習所の卒業(1~3年程度)

・修了考査の合格

 

かなり多いですね。
つまり、公認会計士試験に合格した上で、おおよそ3年程度実務従事・実務補習所に通学し
修了考査に合格して初めて「公認会計士」として独占業務が行えることになります。

ここでいう独占業務とは、監査報告書へのサインなので、監査法人で監査チームのメンバーとして働くことは、公認会計士登録していなくても可能です。

ほとんどの公認会計士試験合格者は、監査法人で実務従事経験を積み、実務補習所に通いながら
修了考査試験の勉強をして公認会計士登録を目指すことになります。

 

次に、税理士について。
「税理士」として登録し、独占業務を行うためには、以下が必要です。

・税理士試験の合格(5科目 免除制度あり)

・2年以上の実務従事経験

 

公認会計士と比べると、試験合格後のステップが短いのがポイントです。

 

次に、米国公認会計士について。

「米国公認会計士」として登録し、独占業務を行うためには、以下が必要です。

・米国公認会計士試験の合格

・実務従事経験(州によりさまざま)

・倫理試験の合格(州によりさまざま)

出願した州により要件がまちまちであり、また細かいTODOもありますが
主に上記が必要になってきます。

ポイントとしては、米国公認会計士の登録(ライセンス取得)を行う合格者は、そこまで多いわけではないということです。

特にアメリカで独占業務を行うとか、名刺に「米国公認会計士」と記載する必要がなければ
登録を行う必要性はそこまで高くないという背景のためです。

 

公認会計士・税理士・米国公認会計士を目指すファーストステップ

それぞれの違いがざっくり理解できたところで、自分が目指す資格はどれが最適か
というところがなんとなく見えてきたと思います。

いきなり予備校に申込!というのも素晴らしいと思いますが
まず自分に適性がありそうか、確かめてみたいと考える方は多いはずです。

それぞれの資格を目指すためのファーストステップとして、適性を確かめる方法をご紹介します。

 

公認会計士:簿記2級の取得

まずは、簿記2級がサクっと(~3か月程度で)とれるかどうかを確かめてみましょう。

サクっと取れた場合は、公認会計士試験に挑戦する価値アリです。

ただし、公認会計士試験は簿記2級の100倍大変です…

 

簿記2級の学習法については、今後記載しようと思いますが
下記の本が圧倒的に分かりやすいのでオススメです。


簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集 第4版


簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集 第2版

 

また、簿記2級の知識をしっかり理解しているか否かは会計士試験にも大きく響いてきます。
会計士試験を見据えて慎重に学習されたい方は、TACなどが簿記講座を開いていますので受講するのも良いと思います。

ちなみに、公認会計士試験を受ける前に簿記二級を雑に学習して困った体験談はこちらです。

働きながら公認会計士試験に関する記事は、こちらをご覧になってみてください。

 

税理士:簿記1級の取得

税理士試験合格には強い忍耐力が必要なので、簿記1級を試金石にするのがよいかと考えます。

簿記2級とは比較にならない難易度なので、予備校の利用をオススメします。

独学の場合は、下記のシリーズが利用できるでしょう。


日商簿記1級に合格するための学校[テキスト]商業簿記・会計学 基礎編I(とおる簿記シリーズ)

 

米国公認会計士:簿記2級の取得 or TOEIC700点以上の取得

米国公認会計士の試験難易度は簿記2級+α程度で、英語についてもTOEIC800点程度あれば問題ないレベルといえます。

なので、簿記2級もしくはTOEIC700点程度を大きな苦労なく取得されているのであれば、合格可能性はかなり高いと言えるでしょう。

簿記2級については上記のとおり、こちら
簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集 第4版
簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集 第2版

TOEICの学習法については、こちらの記事が参考になるかと思います。

また、思い切ってアビタスなどの予備校に無料相談に行って、問題のイメージなどを見せてもらうのも良いかと思います。

米国公認会計士(USCPA)について別途書いたこちらの記事も、お手すきの際にご覧になってみてください。

 

さいごに

公認会計士・税理士・米国公認会計士の違いを、ざっくりご紹介してみました。

ハッキリ言って他人にとってはどうでもいい違いなのでしょうが

公認会計士は「税理士と一緒にするな」と思ったり

税理士は「公認会計士は税務が苦手じゃん」と思ったり

米国公認会計士は「公認会計士と良く勘違いされるんだよね…」と思ったり

当事者は結構気にしているものです。

 

これから公認会計士・税理士・米国公認会計士を目指される方はなおさら
違いを知っておくことが大事でしょう。

試験に合格した後で「こんな仕事をするはずじゃなかった」と思ったりしたら最悪ですからね。

 

 

最後に、完全に余談ですが、2016年のハリウッド映画に「ザ・コンサルタント」というベン・アフレック主演の映画があります。

面白いので是非観ていただきたいのですが、これがまた絶妙に会計士とは何か?という混乱を招くものになっています。

 

そもそも、邦題は「ザ・コンサルタント」ですが、実は原題は「The Accountant(会計士)」というタイトルになっています。

この時点で、タイトルに釣られてやってきたコンサルファーム関係者は肩透かしなのですが…

 

映画の中でベン・アフレックが演じる会計士は、日本でいう税理士の仕事に近いことをやっており、監査法人勤務の会計士までもが肩透かしを食らった気分になります。

 

極めつけは、この映画、ビジネス映画ではなく超王道のハードボイルド・アクション映画です。

 

はっきり言ってコンサルタントだろうが会計士だろうが税理士だろうが、あんまり関係ない作品となっています。

(主人公は数字に異様に強いという特長があり、これが会計士というバックグラウンドに裏付けられていますが、この点もそこまで数字に強くない文系会計士への誤解を生みかねないですね…)

 

脱線しましたが、普通に面白い映画なので、Prime Videoなどでご覧になってみてください。

ということで、イマイチ分かりづらい公認会計士・税理士・米国公認会計士の違いでした。

 

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