会計士・監査法人のアドバイザリー業務とは一体何のことなのか?

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会計士・監査法人のアドバイザリー業務とは一体何のことなのか?

 

監査法人には監査部門だけでなく、アドバイザリー部門というものがあることをご存知でしょうか。

アドバイザリー部門は、グループ内のコンサルティングファームとも違います。

そもそも、監査法人の監査部門の人達も、アドバイザリー部門のことを良く分かっていなかったりするケースもあります。

 

今回は、監査法人のアドバイザリー部門とは一体何なのか?についてご紹介したいと思います。
(実際のスライドを含む成果物についてもご紹介しています。)

 

攻めのコンサル・守りのコンサルと良く表現される

 

監査法人のアドバイザリー部門を紹介する記事ではよく

コンサルティングファームを攻めのコンサルとすれば

アドバイザリー部門は守りのコンサルである

という表現をしています。

 

でも、攻め・守りと言われても実際のところ良く分からないので、具体的に見ていきましょう。

 

どんな業務をするのか?

 

監査法人アドバイザリー部門の行っているサービスは多岐にわたります。

とはいえ、コンサルティングファームほどの業務の多様性はなく、概ね以下の3つに集約されるでしょう。

 

・リスク対応に関する業務(内部統制の構築支援、事業リスクやコンプライアンスリスク対応など)

・会計支援に関する業務(経理業務支援やIFRS対応、M&Aアドバイザリーなど)

・IT支援に関する業務(サイバーセキュリティ、IT統制構築支援、RPA導入など)

 

例えばコンサルティングファームでは

・企業の経営戦略策定

・新規事業戦略策定

・マーケティング戦略策定からCRM導入支援

のようなプロジェクトを手掛けることもありますが
アドバイザリー部門ではこのようなプロジェクトは稀です。

 

一部このようなサービスをデリバリーできる方がいて、こぢんまりとプロジェクトをこなしているケースもありますが、そもそもクライアントから監査法人のアドバイザリー部門に期待されるのは

・より健全な経営管理体制を構築すること

であり、結果的に多くのプロジェクトは、会計的専門性が活かされるような、内部統制などのリスク対応や、財務・経理業務支援、M&A支援などの会計系コンサルティング業務になってきます。

 

 

また、下記のような制限があることに注意しましょう。

・監査法人の監査先クライアントに経営指導やシステム導入支援は出来ない(監査の独立性保持)

・大規模なM&Aアドバイザリーは少ない(監査法人のため利益追求がしづらい)

 

 

ここまでの説明だと、他サイトの説明と大して変わらないので
監査法人アドバイザリー部門の成果物を実際にいくつか見てみましょう。

 

経済産業省の委託調査報告書より抜粋しているので
資源やインフラ、経済に関する調査分析業務が主体です。

 

一発目から電力分野の競争力分析調査です。
監査法人がこのような調査を行い、こういったスライドを成果物として報告している事実は知らない方が多かったのではないでしょうか。

 

こちらも自動走行システムに関する調査です。
会計分野に限らず幅広いプロジェクトがあることが分かります。

 

大阪万博の経済効果を分析しています。読んでいて中々興味深い内容の報告書です。

 

コーポレートガバナンスに関するリサーチの報告書です。
監査法人の専門性が活かされた分野だと思います。

 

(出所:経済産業省 委託調査報告書)

 

 

専門性・スキルはつくのか?

 

コンサルティングファームにおいても、特定のコンピテンシー(M&A、戦略、ITなど、提供するサービスで分類される)グループに属して経験を積めば、ある程度の専門性は身に付きます。
また、PMOを中心にジェネラリストとして進む道もあります。

 

一方、監査法人のアドバイザリー部門は、コンピテンシーがある程度会計・リスク分野に偏っているので、コンサルティングファームよりもスペシャリスト的なキャリアの構築が期待されることになるはずです。

 

監査法人の監査部門から異動してきた会計士の方も比較的多く在籍しているので、周りの同僚の会計的専門性も高めと言えます。

 

話は逸れますが、会計的専門性を持った職員が多いという点は
新卒で入社した職員が、そういった会計スペシャリストに囲まれながら
自分自身の専門性をどのように磨き上げていくのかという部分が課題になると言ってよいでしょう。

コンサルティングファームに良くいる、新卒プロパーエリートジェネラリスト、という存在は正直少ないので、ロールモデルをどのようにうまく見つけるか、は新卒入社・第二新卒入社の方にとってのキーポイントだと思います。

 

どのような人材がいるのか?

 

人材についていくつか補足したいと思います。

 

監査法人のアドバイザリー部門の人材は、以下のような方が多いです。(あくまで体感です)

・監査法人の監査部門から異動してきた会計士

・コンサルティングファームから転職してきたコンサルタント

・事業会社から転職してきた専門人材(経理、技術者、官僚など)

・システムエンジニア

 

コンサルティングファームとの違いは

・会計士の割合が比較的高いこと

・ほぼ転職、異動組であり、新卒入社組が少ないこと

であり、これらを除けば人材の色はあまり変わらないというイメージです。

 

言い換えると、監査法人のアドバイザリー部門は
「監査法人」にもかかわらず、会計士以外の人材が多く在籍し、活躍しています。

 

ワークライフバランスは?

 

結論から言うと、コンサルティングファームよりホワイトと言って差し支えありません。

2018年12月時点のVorkersのデータによると、各社の残業時間はこのような状況です。

 

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もう少し直感的に理解するために、グラフにしてみましょう。

 

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グラフにして並べて比較してみると、より直感的に

「監査法人アドバイザリー部門の方が、コンサルティングファームよりも平均残業時間が少ない」

ことが理解できるでしょう。

 

また、時間あたりストレス、といいますか
良い意味でも悪い意味でもストレスフルで緊張感があるかどうかという点も
監査法人のアドバイザリー部門 < コンサルティングファーム
と言えると思います。

ワークライフバランスを重視するなら、監査法人のアドバイザリー部門に軍配が上がりそうですね。

 

給料はいいのか?

給料は、概ね監査部門の会計士と変わりません。

コンサルティングファームの同タイトルと比較すると、どうしても劣ってしまいますが
それでも比較的高給であることは事実です。

 

あくまでイメージですが

コンサルティングファームのマネージャーが年収1,200万円とするならば

監査法人のアドバイザリー部門のマネージャーは年収1,000万円強という差になります。

 

このあたりは、会社によって結構違いますね。

 

グローバルに働けるか?

この点、実は監査法人のアドバイザリー部門は強いです。

海外派遣・海外駐在の機会はマネージャー以上を中心に多く

スタッフレベルでも海外オフィスへの転籍例は比較的良く見かけます。

日々の業務という点でも、海外オフィスと連携してテレカンなどをこなしながらプロジェクトを進めていく機会も豊富です。

英語の活用で、新卒入社組の方がバリューを発揮しているシーンはしばしば見かけました。

 

まとめ:監査法人のアドバイザリー部門とは

イマイチ何をしているのかよく分からない監査法人のアドバイザリー部門ですが

今までの話を総括して、コンサルティングファームと比べて魅力的な点・そうでない点をまとめたいと思います。

 

魅力的な点

・会計・リスクに関する専門性が高い

・ワークライフバランス重視

・グローバルに働ける(この点はコンサルティングファームも同様)

 

そうでない点

・提供できるサービスの幅や制限という点で劣る

・ジェネラリスト志向の職員が少ない

・給料が若干劣る可能性がある

 

もし監査法人のアドバイザリー部門に興味が湧いたという方がいらっしゃれば
各法人のホームページをご覧になってみるか、エージェントに話を聞きに行くのも面白いと思います。

(エージェントについては思いっきりアフィリエイトですが、皆様が損をすることはありませんので、気が向かれましたら是非。(笑))

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