公認会計士を目指すか?民間企業を選ぶか?決めるときに考えること

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公認会計士を目指すか?民間企業を選ぶか?決めるときに考えること

 

社会人受験生の方、また大学4年生や既卒受験生の方にとっては

・公認会計士試験合格のために努力を続けるか

・民間企業への就職(在籍)を選ぶか

非常に悩ましい問題なのではないでしょうか。

 

今回は

・私が社会人になってから公認会計士を目指したときに考えたこと

・実際に公認会計士試験に合格して、後から振り返ったときに思うこと

をご紹介します。皆様の将来について選択するための情報の一つとして役立てば幸いです。

 

待遇編

まず、気になるのが待遇の話です。
正直な話、監査法人職員としての公認会計士と、民間企業のサラリーマンにそこまで大きな差はないと考えています。

 

サラリーマンとしての給料は、一部上場企業であれば変わらない

こちらの記事でも書きましたが、監査法人に新卒で就職した場合の給料は
初年度年収600万円程度~30歳過ぎで1,000万円程度、そこからの伸びは昇進の有無で決まります。

一方、こちらのサイトでは、上場企業の上位500社の平均年収は828万円と記載されています。

 

単純にざっくり年収を比較すると監査法人の勝ちですが、退職金を加えるとどうでしょうか。

 

監査法人の退職金は、イメージで言うと基本給×勤続年数×60~70%程度になります。

こちらに面白い記事があります。一旦こちらの数字をベースに考えてみましょう。

例えば、監査法人で35年間、マネージャーとして勤務し、自主退職するケースを計算してみます。
(※なぜ自主退職?とツッコミがおありかもしれませんが、監査法人で定年まで勤められるのは、監査法人のほぼ2割を占めるパートナーに限られる印象なので、標準値としては適切でないと考えたためです。)

(150,000+300,000)×35年×60% = 945万円

対して、2016年の経団連調査によると、大卒標準者の定年退職金は2,374万円とのことです。

2,374万円-945万円 = 約1,400万円の差を、果たして監査法人の年収分で上回れるのか?微妙なところです。

 

もちろん、勤続年数も一緒ではありませんし、退職金と給料ではお金を受け取れるタイミングも違いますので、厳密な比較ではありません。
ただ、そこまでハッキリ大きな違いが出るわけではなさそう、ということはお分かり頂けると思います。

 

例えば東大~早慶・MARCHの学生であれば、上場企業の上位500社には恐らく入社することができるでしょうから、ある程度の学歴をお持ちの方にとっては、勤め人としての給料はどちらを選んでも大きな変化はなさそうだと、今でも考えています。

 

福利厚生は、一般的な日本企業の勝ち

監査法人には、住宅手当・家賃補助、社員寮制度などは基本的にありません。
また、社員食堂も基本的にありません。

一般的な日本企業は、家賃補助、社員食堂があると思います。

 

例えば家賃補助額を月2万円、社員食堂でのランチが300円だとします。

月20日勤務、通常のランチが1,000円として単純に計算して
一ヶ月で3.4万円、一年で40.8万円、五年で204万円の差が出ますね。

 

結構バカにできない差になります。

 

ワークライフバランスは個々の現場次第

ワークライフバランスは民間企業でも監査法人でも、個々の現場次第になりますので、単純に比較できません。

ただ、私が想像していたよりは、監査法人のワークライフバランスは良好です。

このあたりは、私は深く考えても仕方ないと割り切りました。

 

 

キャリア編

独立するなら公認会計士、だが民間企業でも独立はできる

将来の独立を考えてみると、公認会計士の方が独立に対するハードルは圧倒的に低いです。

それはひとえに監査・税務という希少価値のある独占業務が行えるからであり、独立会計士も一定数存在していて彼ら/彼女らとのネットワークも築きやすい分、独立のハードルは下がるでしょう。

一方、民間企業であれば、普通に働いている限りは何かしらの独占業務に携わることもなく
独立する人間が身の回りに多くはないため、独立のハードルは心理的部分も含めて高いのではないでしょうか。

とはいえ、民間企業であっても、営業スキルや業界の専門知識、会社や取引先とのコネクションを使い独立するケースはそこまでレアではないと思います。

実際、私の前職(民間企業)の上司や同期で、現在独立している方は複数いらっしゃいます。

 

私は公認会計士試験受験当時、独立しやすいのは公認会計士だ、と考えましたが
これは今でもその通りだと思います。

なぜなら、普通に働いていても、身の回りに独立する会計士の知り合いが何人も居るレベルだからです。一般的な民間企業と比べると、どちらかといえば独立が当たり前に近いというイメージです。

 

公認会計士のキャリアの選択肢は広い、だが民間企業でもキャリアの幅は広い

公認会計士は監査のみならず、税務、コンサルティング、事業会社の経営人材など、様々なキャリアパスがあります。当時はこのキャリアパスの広さを私も魅力と考えていました。

この点は、今でも間違いないと思っています。
監査、税務で独立、コンサルティングファーム、投資銀行、CFO、事業会社財務経理などなど、様々なキャリアに進む方が実際に身の回りにいらっしゃいました。

 

とはいえ、民間企業でも30歳前後までであれば、キャリアチェンジは可能であり、幅広い選択肢があるのも事実です。
30を超えても、職種はそのままで業種を変えたり、業種はそのままで職種を変えたりすることによるキャリアチェンジは充分に可能だと、身の回りの例を見て感じています。

 

私はキャリアの幅については、どちらが優れているというわけではなく
考え方次第なのではないかと思っています。

 

公認会計士はなくなるのか?

詳細は省きますが、こちらの記事のリンクをいくつか参照していただければと思います。

ITの発展、デジタル化が進んでも、公認会計士という職業自体は完全になくなることはないでしょう。

このトピックについては、改めてしっかりと考察してみたいです。

 

リスクヘッジ編

試験に合格しなくても民間企業の受け皿はある

公認会計士試験受験当時、私が最も心配していたことは
「仮に公認会計士試験に失敗したとき、民間企業は財務・経理として自分を採用してくれるのか?」
という点です。

 

この点については、30歳前後までであれば現時点の市況では全く心配しなくてよいと思います。

実際、私は短答式試験合格時に一度転職活動をしたことがありますが
論文式試験に合格していないにもかかわらず、大手日系企業、大手外資系企業などから財務・経理を含む複数内定をいただくことができました。

 

万が一失敗してしまったときのことは、考えすぎなくてもよいと私は思います。

 

公認会計士になってから事業会社にも転職できる

次に心配な点は
「公認会計士になったらもう事業会社には戻れないのか?」
という点です。

私も公認会計士の受験当時は「実際どうなの?」と考えていました。

しかし、この点については皆様ご存知の通り、監査法人から事業会社への転職はかなり一般的です。
監査法人から大手民間企業(大手メーカー、商社、銀行、官公庁など)への出向を通して、そのまま転職するケースも往々にしてあります。

公認会計士の道を選んだ後に、上記で触れた「給料と退職金問題」に悩んで、やっぱり事業会社を選ぶ、ということも普通に可能ということです。

 

まとめ

今になって私が思うことは

・公認会計士受験のリスクは、30歳前後までであれば十分にヘッジ可能だった

・公認会計士になってからも「定年退職できないのでは?」というリスクは回避可能だった

・給料のアップサイドが明確にあるとは言えないが、やりたいならチャレンジする価値がある

ということです。

 

個人的には、やりたいという強い気持ちがあれば、一度公認会計士試験にチャレンジしてみることは、思ったより怖いことではなく、十分に価値があることではないかと考えています。

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