【監査の実態】監査報酬っていくらか知っていますか?
監査法人のお仕事は、世間一般では謎に包まれています。
いったい監査法人は、監査の報酬としてお金をいくらもらっているのでしょうか?
実は、公認会計士協会がデータを全て公開しているので、今回はそちらをご紹介します。
監査実施状況調査とは
2019/1/21に、日本公認会計士協会が「監査実施状況調査(2017年度)」を公表しました。
リンク先を見ていただければ分かるのですが
監査区分(金商法、会社法、学校法人など)ごとに
・監査チームの構成
・監査にかかった時間
・監査報酬と一時間あたり単価
を表形式で公表しています。
監査法人で監査の仕事をしたことがある人は分かるかと思いますが
下っ端のスタッフは監査の現場で「監査概要書」や「監査実施報告書」という書類に記録するために
監査チームのメンバーそれぞれが監査手続にかかった時間の集計をさせられます。
ちなみに監査概要書はこんな感じの書類で
監査実施報告書はこんな感じの書類です。
この2つの書類は公認会計士協会に送られ、結果として上記の監査実施状況調査に内容がまとめられるわけですね。
監査報酬の実態は…
公認会計士協会のホームページでは、こちらの監査実施状況調査の情報は転載禁止となっているため
あまり詳細な情報は書けないのですが…
だいたい一社あたり1,000万円~5,000万円ぐらいのようですね。
監査区分によってだいぶ違います。
監査報酬はタイムチャージビジネスなので、会社規模が小さく、監査メンバーも少な目なところが多い監査区分(例えば学校法人監査)の監査報酬は、必然的に少なくなります。
監査メンバーの平均単価の実態は…
こちらはあまり変わりませんね。おおよそ1時間あたり1万円強となっております。
比較のために、今回は一般的なSEの時間単価を算出してみます。
システムエンジニアの単価相場というページによると
例えば大手IT企業の中級SE(主任クラス)の人月単価は100~120万円となっています。
人月計算の前提として、一日8時間 × 20日 = 160時間/月と置くと
120万円 ÷ 160時間 = 7,500円/時間 と算出されます。
大手IT企業のSEより、全体的に単価が高そうですね。
ちなみに、有名どころのコンサルや弁護士になると、単価は1時間あたり3万円を超えることもままあります。
こちらの単価というのは、あくまでクライアントに請求する額であり、働いている人が1時間1万円とか、3万円をまるっといただけるわけではないのでご注意ください。
監査にかかる時間数の実態は…
総平均時間を見ると、おおよそ1,200時間となっていますね。
前年度と比較してみると、前年度の総平均時間から、20時間ほど削減されていることが分かります。
昨今の監査手続の効率化、ITの活用などによって工数を削減する動きが高まっていますが、その結果が数字に現れているのか、はたまた現れていないのか…は皆様に委ねたいと思います。
今回は監査実施状況調査についてご紹介しました。
監査というビジネスで監査法人はいったいいくら報酬をもらっているのか、どれぐらいの人数の監査チームで監査の現場を回しているのか、ご興味のある方は、是非ご覧になってみてください。
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