監査法人のIT監査部門スタッフが確実に年収アップを実現する転職方法。
今回は、監査法人のIT監査スタッフが確実に年収とキャリアアップを実現する転職方法をご紹介します。
以下、説明していきます。
監査法人のIT監査部門について
この記事を読んでいる方は既にご存知とは思いますが、監査法人には「IT監査人」という職種の人材を抱えている部門があります。
過去の記事から、IT監査人についての(ざっくりな)説明を再掲しますね。
表現が厳密ではない部分も多々ありますが、ご容赦ください。
監査法人では、主に会計士が監査手続を行うのですが
昨今、企業活動の大部分はITに依存していることもあり、企業の情報システムが正しく動いていないと、結果として企業の経営成績などの報告数値が正しくならない恐れがあります。
なので、内部統制のチェックの一環として、企業のITを支える体制や、個々のシステムの正確性などをチェックしなければなりません。(これを、IT統制と言います。)
しかしながら、会計士は一般的にITの知識に乏しいので、ITの専門家を利用して、IT統制のチェックを行う必要があります。
ここで言う「ITの専門家」がIT監査人になります。
続きが気になる方や、IT監査人に興味があるという方は、こちらの記事をどうぞ!
→SEからのキャリアチェンジで監査法人就職!IT監査人とは?
では、監査法人に入りたてのIT監査人スタッフの方が、将来的に年収とキャリアをアップさせる方法をご紹介していきます。
将来のキャリアプランを描く際の一助になれば幸いです。
ゴール:年収アップの転職を5年以内で実現する。
上記のようにゴールを置きます。スタッフより下で入所された方は「6年」としましょう。
また、転職と書いていますが、社内での異動も含めての方法を書いています。
ステップ1:とにかくシニアスタッフに昇進しよう
IT監査人として(ジュニア)スタッフで入所された方は、第一の目標としてシニアスタッフを目指しましょう。
では、シニアスタッフ昇進のために重要なポイントを書いていきます。
資格(CISA)をサッサと取ろう
シニアスタッフ昇進のためにまず最初にやることは、資格をサッサと取ることです。
一番コスパが良いのはCISAでしょう。
シニアスタッフやマネージャーの昇格要件の一つになっていることもあり、転職市場でも一定の評価がされます。
何より、ちゃんと勉強すれば2~3か月で取ることが出来る資格なので、監査法人入りたての状態でいち早く上司の目に見える成果を出すにあたって最適です。
CISAについてのご紹介は別の記事を準備中です。
アタマを使わない作業はどんどん効率化しよう
次に、アタマを使わない作業はどんどん効率化して、作業スピードで一番になることを目指しましょう。
IT監査部門は、会計士の監査部門に比べて一人あたり大量のクライアントを抱えるため、作業に忙殺されるという覚悟が必要です。その中で、圧倒的スピードで作業をこなすことを目標にするのが分かりやすいです。
もしスピードに自信がないなら、積極的にクライアントや、会計士の監査チームとコミュニケーションを取れるポジションをいち早く目指しましょう。
クライアント先に往査に行くにあたって、クライアントに必要な資料を依頼したり、往査先でクライアントに質問したり、クライアントとのコミュニケーションは必須です。
また、監査チームとも連携して手続を進めていくので、適宜監査チームと効率的にコミュニケーションを取ることが必要です。
特に、監査チームとのコミュニケーションについては実際のところ(私の過去の体感上)あまり上手く行っていないことが多く、監査チームと仲良くコミュニケーションを取れるだけで、チーム内で重宝される可能性は非常に高くなります。
必然的に評価が上がってくるでしょう。
作業の効率化については、こちらの記事をご覧ください。
会計士・コンサル一年目の雑務を最小限にする時間節約仕事術:個人編
会計士・コンサル一年目の雑務を最小限にする時間節約仕事術:対人編
積極的に「業務外」活動をしよう
裏ワザでもなんでもないのですが、日々の監査業務以外の活動を積極的に行えると、より良いです。
ポイントは、新しいことに挑戦することです。
監査手続は改訂が激しく、すぐに新しいやり方や考え方が出てきます。
新しいことに関しては、パートナーもマネージャーもスタッフもスタートラインは同じなので、ここでいち早くキャッチアップして、他のスタッフにナレッジシェアリングしてあげるのがベタなやり方ですね。
推測ですが、最近だと、こういった活動も評価の一部に組み込まれていたりするのではないでしょうか。
なんか、サラリーマン生き残りガイドみたいになってきましたね。
認めてくれる上司を見つけよう
上に挙げたようなことを実行しても、自分にあまり気をかけてくれない上司、面倒見の悪い上司に運悪く当たってしまうことも残念ながらあります。
自分のやったことが本当に周りにとって価値があるのか?独りよがりでなかったか?という点には充分注意の上、それでもダメなら、チームを変える・異動することを躊躇なく考えましょう。
昇進は実力次第ではありません。環境と運(とほんの少しの実力)次第です。
チームを変えるべき主なポイントは以下の3つです。
・スタッフクラスが飽和している
マネージャー以上の数に対して、スタッフクラスの数が多すぎる場合、充分な成果を出していても昇進できる人数に限りがあるため、昇進が遅れる可能性があります。
明らかに飽和状態の場合は、チームを変えることを考えてよいでしょう。
・上司とウマが合わない、噛み合わない
上司と徹底的に性格が合わない場合は、不当に評価されかねません。どうしてもダメなら、異動を考えましょう。
・そもそも監査自体にモチベーションを感じない
ないとは思いますが…監査自体に魅力を感じないことに気づくケースもあります。こういった場合は、IT監査部門でもアドバイザリーサービスを提供しているチームへの異動など、積極的に考えてみましょう。
裏道:IT監査以外の部門に異動しよう
上記に挙げたような「チームを変えるべき」状況に運悪く陥ってしまった場合は、早々にIT監査部門以外に異動するという手があります。
こうした方にオススメなのが、以下の3つの選択肢です。
・内部統制アドバイザリー部門
アドバイザリー部門の内部統制関連アドバイザリーチームは、IT監査との親和性がある程度高いです。監査がどうしても嫌だという方は、考えてみる価値はあるでしょう。
・データアナリティクス部門
監査法人のデータアナリティクス部門は、元SEやデータサイエンティスト等を積極的に受け入れています。こちらもIT監査部門と、ある程度親和性が高いです。SEからの転職組と比べて、監査の現場を知っていることは強みになります。
・(Big4なら)グループ内のコンサルティングファーム
激務をいとわなければ、グループ内のコンサルティングファームへの異動の道もあります。テクノロジーコンサルティングチーム、会計関連コンサルティングチームなどが親和性が高いでしょう。
異動のコツとしては、オモテのルートとウラのルートを両方使うことです。
通常、異動情報は社内でオープンになっています。手を挙げれば誰でも上記の部門に応募できるはずです。これがオモテのルートです。
もう一つ、同僚・知人や友人を頼って、ポジションが空いていないかを聞いてみるのも良い方法です。二つ返事でサクっと異動が決まることも良くありますよ。これがウラルートです。
ステップ2:英語でハッタリをかましてグローバルプロジェクトに入ろう
無事シニアスタッフへの昇格が見えてきた(または他部門に異動した)あなたが次にやることは、英語でハッタリをかますことです。
実際、監査法人の方々の英語の出来なさは結構深刻です。
TOEICの点数が高かったり、英語が人並みに話せるだけで、周りから一目置かれるし、グローバルプロジェクトにアサインされやすくなります。
英語が出来ない?心配ありません。
出来なくてもいいんです。TOEICで高得点(850~)を取って、それを証拠に「英語出来ます」とハッタリをかませばいいんです。
TOEICは英語力を測る試験ではなく、得点能力を測る試験です。
詳しい攻略法は、こちらをどうぞ。
実務に活かす!純ジャパ純ドメ会計士・経理マンのための英語学習法
一度グローバルプロジェクトに入ってしまえば、その経験はこの先転職市場でも評価される、非常に賞味期限の長いものになりますよ。
TOEICの勉強と並行して、スカイプ英会話もガンガンやっていきましょう。
時間が無い方はこちら。リクルートのサービスです。
英語学習の新定番!スタディサプリ ENGLISH
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ステップ3:さあ、転職活動!
ステップ2までをクリアしたあなたは、転職活動をコッソリ始めましょう。
今、狙い目は
事業会社の内部監査/内部統制推進部門
です。
安定よりも大幅な年収アップを狙うなら、外資系企業(特に外資系金融機関)を狙うのがオススメです。
どれも安定して1,000万円前後~を狙えるはずです。
ステップ2をクリアしていれば、外資系企業も選択肢に入ってきます。
更に金融系クライアントを担当されていたのであれば、外資系金融機関のバックオフィスの採用も可能性はかなり高くなってきます。
ステップ1で異動を選択された方は、(特にデータアナリティクス部門などは)異動先によっては多少転職先が変わってきますね。
まずは、求人サイトやエージェントに片っ端から登録してみて、転職活動の感覚を掴むのが良いです。
・ビズリーチ
・CAREER CARVER
・ジャスネットキャリア
などなどです。
ここまで来たら、あなたは転職市場でそれなりに評価されるはずです。
こちらの方法を一つの目安にしてみてください。
今回は、IT監査部門のスタッフがキャリアアップ狙う方法についてご紹介しました。
他にも、このサイトでは、普段
私が社会人で働きながら会計士試験に合格した経験から
社会人が働きながら会計士試験に合格するための記事や
社会人の働きながら公認会計士試験攻略法:論文では記述を得意にする【論文で得点力を上げる勉強法】
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監査法人やコンサルに入ってからの基本的なハードスキルの記事
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