監査業務におけるITの活用事例、の実際のところ【公認会計士協会】

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監査業務におけるITの活用事例、の実際のところ【公認会計士協会】

 

公認会計士協会より、監査業務でITがどのように活用されているか?の紹介動画が公表されました。

動画コンテンツ「監査業務におけるITの活用事例(初級編・上級編)」の公表について

 

ちなみに、動画の元となったパンフレットはこちら。

パンフレット「監査業務におけるITの活用事例」(改訂版)公表・配付のご案内

私も動画を見たんですが、誤解を恐れずに言うと「…で実際、具体的には何してるのよ?」という感想が浮かんできたので、今回は「実際のところ、どうなの?」というのを言える範囲でお伝えしたいと思います。

 

紙と電卓の監査から、電子データとPCの監査へ

これは、その通りですね。というか、当たり前な気がします…

会社も手で仕訳を記帳して帳簿を作成するのではなく、システムを通じて自動的に帳簿が作成される仕組みが当たり前ですので、監査の現場でも「電子データの帳簿」(ExcelやCSVですね)を閲覧して、電子調書(これもExcelが多いですね)で計算・分析を行います。

一方電卓も、PDFと紙しか情報がないときや、現金実査を行うとき、数式を組むまででもないちょっとした計算チェックに使ったりしますので、実はまだまだ現役です。

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なお、Excelなんて簡単に改ざんされるのでは?という疑問もあるかと思います。

改ざんを防ぐために、監査する際は会社のシステムから監査人が直接データを抽出したり、他の帳簿との整合性を見たりすることが多いです。

それでも、システムを細工してニセの帳簿が抽出されるようにする会社も実際にあったようです。

 

監査計画での分析のIT利用

・監査計画を立案する際の企業環境の理解・リスク評価・監査手続の検討にあたって、計算・分析・評価と検討の支援のためにITを活用する

こちらは私の理解だと「これから」の段階ですね。

正直言ってエクセルベースで分析を行っている現場がまだまだ多いのではないでしょうか。

逆に言うと、分析のためには一通りエクセルの表作成・ピボットテーブル・グラフ化ぐらいは普通に出来る必要があります。

各法人で開発した分析ツールを導入してリスク分析をしているチームもあります。

ツールでポチポチとボタンを押していくとリスクの度合いを示してくれるツールなんかも、最近になってやっと利用され始めた感じですね。

数値分析系では、Tabuleauを利用しているチームもあるのではないでしょうか。

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これからはどんどんAIを含めた分析ツールの活用が増えてくるでしょう。

 

内部統制の評価でのIT活用

・現代の企業の内部統制はITに強く依存しているため、評価にあたってITへの理解が関わってくる

これはその通りですね。

ただ、ITに関する統制の評価は、殆どIT専門家と呼ばれる人達が実際の手続を行っており、通常の会計士による監査チームはその結果を評価するぐらいのことしかしていませんね。

なので、システム開発・運用・保守のプロセスを深く理解していたり、ソフトウェアのプログラムを解析できるような会計士は殆どいません。逆に、それができる人は強みになります。

 

一方内部統制の運用評価でのIT活用は、確かに行われています。

例えば、サンプル抽出を行う際に、エクセルのアドオンツールをポチっと押すと、サンプリング手法に応じた抽出結果がポンと出てくるようなイメージですね。

 

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仕訳・取引の検証でのIT活用

これも使われていますね。コンピュータ利用監査技法 通称CAATなどと呼ばれている分野です。

CAATと聞くと大層なテクノロジーを活用しているように聞こえますが、現場によってはエクセルの関数とピボットテーブルで回しています。

とはいえ、仕訳テスト専用のツールを使うケースが一般的ではないでしょうか。

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未来の監査でのIT活用

ここも各法人で非常に積極的に取り組みが行われているはずです。

ビッグデータの活用については、監査法人でしか知りえない情報を持っている点、もしかすれば今後非常に強みになるのではと考えています。

IT技術・デジタル化の発展で監査はどう変わるのか?Big4見解まとめ

 

色々と言いましたが、まとめると

・一口にITと言ってもエクセルからAIまで色々とある

・現場視点で実際にITを活用する場面は「各種ツールの利用」であり、この点はIT活用が進んでいる

・今のところ会計士にシステムの知見やプログラムの理解が必須なわけではない(あったら強い)

です。

ITに関わるもの全てについて「IT活用してます!」と言ったとしても、そういう意味であれば99%の大手企業はIT活用していますからね。

ということで、実際の現場でどのようにITが活用されているのか?について言える範囲で補足しました。

 

他にも、このサイトでは、普段

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を書いたりしていますので、ご興味があればご覧になってみてください。

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