J1新人が期末監査を乗り切るための6つのポイント【監査法人・会計士】
監査法人の皆さんは絶賛期末監査シーズンですね。
新人は入所早々訳も分からず、休日までぶっ通しで夜遅くまで働く現場に投入され、心も体も疲弊することウケアイだと思います。
今回は、そんな新人の方が期末監査を乗り切るためのポイントを、仕事編とプライベート編それぞれ3つずつ書いていきます。(当時を思い出しながら…)
あくまで「私なりのポイント」なので、話半分で、いいなと思ったところは取り入れてみてくださいな。
仕事編
まずは手続の目的を理解しよう
1つ目のポイント。割り当てられた手続は、期末の監査の中で何を検証するためにあるのか、という目的を自分なりに理解することです。
手続の目的はだいたい、調書の先頭に書いてあります。しかし、イケてない調書にはまともに記載がない場合もザラです。
だから、まずは身近な先輩に「この手続の目的って、〇〇することですか?」と自分なりの考えをぶつけてみて、聞いてみてください。
個人的な経験ですが、新人にこの質問をされて嫌な顔をする人は居なかったですし、むしろ「ちゃんとしてるな」と安心するものです。
目的を理解すれば、調書の作成が
・数字を埋める作業
・証憑突合(バウチング)する作業
だけでない、意味のあるものに変わってきます。
100%理解しようとせず、80%で走り抜けよう
2つ目のポイント。会計式試験と監査実務は違うので、いくら試験合格者といえど、手続を100%理解することは難しいです。なので、80%理解したらまずは走り抜けることです。
はじめての監査現場は
・見たこともない資料(仕訳データ、試算表、契約書などなど…)
・初めて使うツール(監査ツールや会社のシステムなどなど…)
・聞いたこともない固有名詞(社内用語や業界用語、取引先の名前などなど…)
分からないことだらけで、現場にいるうちに100%を理解することは殆どの人が不可能です。
だから、その場で全てを理解しようとはせず、自分のやった手続について自分の言葉で説明できるレベル(80%ぐらいの理解度)まで行ったら、とにかく走り抜けましょう。
なぜか?締切を守ることが大事だからです。(締切を守るための方法は、次に説明しますね。)
理解できなかった残りの20%はメモなどに書き留めておき、期末シーズンが終わったときに一つ一つ潰していくと良いです。ここまでやる人って、3人に1人もいなかったと思います。
締切を守るためにスケジュール管理をしよう
3つ目のポイント。自分に与えられた役割を時間内に終わらせるために、自分なりにスケジュールを立てて管理をすることです。
スケジュール管理は、まずは全体のスケジュールと、手続個別のスケジュールの2つのレベルで考えてみると良いです。
全体のスケジュールは、以下の繰り返し。
・手続の優先順位を決める
割り当てられた科目のうち、どれが重要なのか?を考えて、重要なものから先に取り組む。
重要性は会社によりますが、例えば認識しているリスクの大きさ(例:収益は特検リスクだから重要などなど…)よって変わってきます。
きっとはじめのうちは判断がつかないと思うので、より時間がかかりそうな科目から先にやる、と決めれば良いでしょう。
・何を、いつ、どれぐらいの時間をかけて行うか決める
科目の優先順位を決めたら、次は、それぞれの科目をいつ(n日目の朝・昼・晩)、どれぐらいの時間で(n時間かけて)行うかを決めてみましょう。
まずは自分の思った通りに、自由にスケジュールを考えてみてください。
ここまでを、朝一番(まで)に決めておくとベストです。
・上司や先輩と相談する
自分なりのスケジュールを決めたら、上司や先輩にスケジュールを相談します。
目的は2つあります。
スケジュールを正しく修正すること。
そして、管理者側である上司や先輩を安心させること。
スケジュールが決まったら、いよいよ作業開始です。
・進捗を報告する
都度都度、「聞かれる前に」進捗を報告しましょう。
まずは、一つ一つの手続が終わったら報告する、ぐらいの頻度で問題ありません。
慣れてきたら、午前・午後で1回ずつ、一日1回、と減らしていってもよいと思います。
手続個別のスケジュールは以下の3つに留意します。
・作業を細分化する
必要な作業を箇条書きでもいいので、細分化してみます。
大きく分けると、情報を集める作業と、情報を使って処理する作業の2つに分かれると思います。
特に注意が必要なのが、情報を集める作業です。
・作業を、他人の協力が必要なものと、自分で完結するものに分ける
特に情報を集める作業は、他人の協力が必要なものと、自分で集められるものの2種類があります。
また、他人の協力と言ってもレベルの違いがあり
・監査チームメンバーの協力が必要なもの
・会社担当者の協力が必要なもの
・会社の担当者以外の方の協力が必要なもの(経理以外の他部門や、職位の高い方)
によって優先度は変わってきます。
・他人の協力が必要な作業を、真っ先に始める
上記で分類した「他人の協力が必要な作業」を、優先度が高いものから真っ先に始めましょう。
他人のスケジュールは自分でコントロールできないので、なるべく早く協力を仰ぐことに越したことはありませんよね。
このあたりのことが出来ていれば、新人として十分すぎるほどにマルがつくのではないでしょうか。
プライベート編
労働時間も多くなり、初めてのことだらけでストレスも溜まります。プライベートの時間を上手く使って、バランスを取っていきたいものです。
睡眠は多めにとろう
まず、睡眠をいつもより1時間多くとってみましょう。
たいていのストレスは、寝たら解消できます。逆に、睡眠時間が短いと、まともにパフォーマンスが発揮できません。
私は、慣れないことが多いとき、イライラが溜まっているときは、意識的に早く寝るようにします。22時とか23時ごろに。
翌日スッキリするので、オススメです。睡眠最強です。
ストレス発散のルーティンを作ろう
ストレス発散の自分なりのルーティンを作るのもオススメです。これは、社会人生活でずーーーっと役立ちます。例えば
・ジョギング
・一人映画
・銭湯通い
・一人カラオケ
・晩酌
などなど…
自分が大好きなもので、かつ「時間もお金もそれほど使わない」ものがオススメです。
忙しいときは時間も取れないし、新人のうちはお金もないですからね。
いつも笑顔でいよう
プライベートでも仕事中でも、いつも意識的に笑顔でいることが、意外に大事です。
信じられないかもしれませんが、ネガティブな表情をしているとネガティブな気持ちになるし、ネガティブなことを言っているとネガティブな気持ちになります。感情は行動に引っ張られがちなのです。
なので、意識的に笑顔でいましょう。すると不思議に、ストレスも軽減されます。
仕事中でも、不安で緊張感のある顔をしているより、笑顔でいるだけで、周りの雰囲気を良くしてくれるプラスの存在になれたりするのです。
まずは笑顔、やってみましょう。(自分も気を付けます…)
さいごに
新人が期末監査を乗り切るためのポイントを書いてみました。
たった3つ×2なので、いいなと思った部分はすぐにでも取り入れてみてください。
きっと次の日から効果が実感できる(はず…)ですよ。
他にも、このサイトでは、普段
私が社会人で働きながら会計士試験に合格した経験から
社会人が働きながら会計士試験に合格するための記事や
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