社会人の働きながら公認会計士試験攻略法:答練と本試験の僅かなギャップを埋める
前回に引き続き、社会人が働きながら公認会計士試験合格の現実と攻略法のまとめ に記載の目次の
第二弾「試験形式に慣れる」の内容の最後の項目を記載していきます。
今回お伝えしたいことは、本番の試験でしっかり点数を稼ぐには、ただ答練をこなすだけでは難しかったという体験談です。
答練がそこそこ解ける状態から、本番で充分に点数が取れるレベルにもっていくために、自分が実際に行っていた方法を共有します。
答練を解けても本番で点数が取れないのはなぜか?
全ての人が当てはまるわけではないですが、働きながら短い時間の中で学習を進めていくと
どうしても各単元の理解が浅くなりがちです。
なので、答練を解けるようになったとしても、少し角度を変えた問題や、引っ掛けポイントが違う問題を出されると、途端に解けなくなってしまいます。
例えば、リース取引の論点だとしたら
答練で借手の会計処理、貸手の会計処理を解いて論点を網羅した気になっていても
残価保証のトピックが含まれた問題が出てくると、解けなかったりすることがありえます。
たとえテキストや問題集で解いたトピックだとしても、問われ方が変わると案外解けなかったりするものです。
記事の冒頭では「試験形式に慣れる」という表現をしていますが
つまりは理解が浅く・応用力が足りないことが、答練を解けても本番で点数が取れない原因です。
自分の理解が充分か・応用力があるかを確かめる方法
私が取っていた方法は
答練を何度か解き直して8割以上取れるようになったら、過去問題集を解いてみることです。
私はAmazonでこちらの問題集を購入しましたが
一部の予備校に通われている方は過去問集も貸与されるかもしれませんね。
公認会計士試験 短答式試験 過去問題集 2019年度
公認会計士試験 論文式試験 必修科目 過去問題集 2019年度
過去問題を解いてみると、解けるつもりの論点でも全然正解できないという事態が発生すると思います。
少なくとも、私はそうでした。最初の方の正答率が非常に高いような、いわゆるサービス問題を解けないこともザラでした。
・答練を経て、解けるつもりの論点が過去問でも解けたら応用力は足りている
・解けるつもりの論点が過去問で解けなかったら応用力は足りていない
と考えてよいでしょう。
どうやって本番の得点力を高めるか?
他校の答練と過去問題集を解いて得点力を高めました。
こちらの記事のSTEP5で書いたことと内容は一緒ですが、これからさらに具体的に書いていきます。
具体的な使用教材は
・CPA会計学院の答練集(主に財務会計論・管理会計論)
・公式過去問題集
・公開模試(TAC・大原)
でした。
学習のフローとしては、このように取り組んでいました。
STEP1:答練・過去問を解く
まず、普通に問題を解いてみます。
STEP2:解けなかった部分の解説を読む
問題を解き切ったら、解けなかった部分の解説を読み
・自分がどこでつまずいたのか
・理解不足だった論点やトピックは何か
を把握します。
STEP3:テキスト、問題集の関連論点を読み直す
理解不足だった論点やトピックについて、テキストと問題集で該当する箇所を探し出します。
テキストであればその周辺のページを一度読み直します。
そして、必要に応じて理解を補足するメモ書き加えます。
問題集であれば、問題集の問題と自分が解けなかった問題は何が違うのか?を分析します。
この分析の際に「自分が先ほどの問題のどこでつまずいたのか?」を把握しておくと役立ちます。
このテキスト読み返しと問題集の違いの分析をすることで
論点を別の角度から眺め直すことができ、論点理解がグッと深まりました。
面倒ですが、ここはサボらずにやった方が良いと思います。
ここをサボると、いくら新しい問題にとりかかっても、解けるようにならないはずです。
STEP4:再度同じ答練・過去問を解く
テキストの読み返しと問題集の分析が終わったら、再度同じ答練・過去問を最初から解き直します。
なんとか解けるようになれば、完成です。
この方法で、残りの答練・過去問もどんどん解いていきます。
注意点は、他校の答練に手を出すとしても、出来る限り一校に絞ることです。
ただでさえ時間がないのに、あれもこれもと手を拡げると、問題も解けず理解も深まらないまま終わってしまいます。
解いたらその後はどうするか?
上記の方法を一通り終えたら、後は今までメインで使っていた答練、他校の答練、過去問を
高速で10日間程度のサイクルで回して解きました。
結構キツイですが、科目ごとに分けて一日に2-3回分のペースで私は回しました。
2回×10日 = 20回分を回していたことになります。
回す際には
・出来る限り正答率を100%に近づける
・暗記でなく理解して解いているか何度も確かめながら解く
・今解いてる問題と少し違う部分が論点になったら自分は解けるか?そしてどう解くか?を考える
ことを意識すると、更に応用力が高まっていくと思います。
・今解いてる問題と少し違う部分が論点になったら自分は解けるか?そしてどう解くか?を考える
について、少し補足します。
例えば、連結論点で資本剰余金の数値が問われる問題があったとします。
ここで仮に資本剰余金でなく
・のれんの値が問われても解けるか?
・利益剰余金当期末残高の値が問われても解けるか?
などと考えて、怪しいと思ったら実際に数値を算出してみます。これも応用力を高める良い方法でした。
絶対に、機械的に数値を算出して答練をこなすことは避けてください。
それでは、本番の得点力には全く結びつかないどころか、時間の無駄にさえなってしまいかねないです。
さいごに
本番での得点力を高めるためには、このように他校の答練や過去問を解いて応用力を高めていく方法をとりました。
雑に問題を解かず、手を拡げ過ぎず、確実にテキストや問題集に戻って理解を深めていくことが本当大事だったと思います。
次回からは、社会人が働きながら公認会計士試験合格の現実と攻略法のまとめの第三弾、メンタルケアについて記載していきます。
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