【未経験の転職面接対策】日系大手財務部門の面接実体験をお伝えします
未経験からの転職で、財務・経理を狙っているけれど
面接に通るか不安だという方、いらっしゃいますか?
私は、20代資格なし未経験での転職で、財務、経理、監査法人、コンサルなどで複数内定を頂くことができました。
幸いにベンチャーを除く全ての内定が、世間では一流と言われるトップティアの企業でした。
今回は、当時の私の面接の実体験をお伝えすることで、キャリアチェンジを目指す皆様のお役に立てればと思います。
私のスペック
こちらをご覧いただければと思います。
ちなみに日系大手企業から内定を頂いたタイミングでは、未経験・無資格状態でした。
前職で圧倒的な実績を残したわけでもありません。
一次面接で聞かれたこと
中途採用では、トップティアのコンサルティングファーム等を除き
基本的には一次面接が合否を分ける印象でした。
未経験転職の際に必ず聞かれたポイントは
・なぜキャリアチェンジをするのか
・なぜこの会社を選ぶのか
・そこで活かせる今までの経験は何か
・将来どうなっていきたいのか
の4種類の質問でした。(ケース面接を除く)
この質問をどれだけしつこく深堀りされても、しっかりと答えることができれば
内定が頂けたという印象です。
それでは、実際に聞かれた質問を書いていきます。
「なぜ〇〇(現在の職種)から財務や経理を志望されるのですか?」
なぜキャリアチェンジをするのか?系の質問です。
この質問は100%きますので、しっかりと答えられるように対策しました。
ポイントは、ネガティブでなくポジティブな理由を答えることだと思います。
私は
・長期的な目標
・現職での気づき
・会計に興味を持ち学習
・実務に携わりたい
というステップで、キャリアチェンジの理由を簡潔に説明しました。
あなたが会計の学習をしているのなら、それなりの理由があるはずです。
その理由を隠さず、しっかりと構成すればよいだけだと思います。
もしも会計の学習をしていないなら、にもかかわらずキャリアチェンジを志望される強い理由があるはずです。
それを言語化すればよいはずです。
NGな理由としては
・なんとなく潰しが効きそうだから
です。
自分視点ではない理由を考える必要があります。
「なぜ会計に興味を持ったのですか?」
なぜキャリアチェンジをするのか?の変形質問です。
上記の質問と同じように答えれば問題ありませんでした。
「なぜ弊社を志望されたのですか?」
・なぜ監査法人やコンサルティングファームでなく事業会社なのか
・なぜ同業他社でなく〇〇なのか
の2つの問いに答える必要があります。
1つ目の問いについては
・監査法人やコンサルの仕事の関わり方と事業会社の仕事の関わり方を比較(出来ること・出来ないことでも可)
・事業会社の方が私のキャリア目標に沿っている
というステップで説明しました。
2つ目の問いについては
・私のキャリア目標はxxだ
・〇〇は~~という点で他社と違うと考えており、私のキャリア目標に沿っている
というステップで説明しました。
とにかく、徹底的に自分のキャリア目標とマッチしていることについて伝えました。
ここでのポイントは2つあると思っています。
・キャリア目標は企業に合わせてある程度作ってもいい
全ての物事が白黒つくことはありません。このキャリアのこういう面はいいけど、こういう面は良くない、その片方に注目してキャリア目標を考えればいいと思います。
・「それ、他でもできるよ?」に無理して反論しない
勿論反論できるならそれでよいですが、相手の方が詳しいことは当たり前なので
「私は今ある情報の中でこう考えました」「間違っていたなら勉強不足です」「でも貴社が〇〇であることには変わりないので、引き続き志望させていただきたい」と潔く引くのも大事でした。
「弊社のIRを見てどう思われましたか?」
会社への志望度と、会計への興味を聞く質問です。
自分なりにIRを見て考え、ニュースと答え合わせして結論を導けば問題ありませんでした。
・IRを見ると、〇〇だ(現象)
・〇〇なのは、××が原因だと考えられる(原因)→ニュースで答え合わせ
・財務の立場で、△△することで貢献できるのではないか(アクション)
まで回答できれば確実にプラス評価です。
「監査法人は受けていないんですか?」
会社への志望度を確かめる質問です。
私は、キャリアチェンジの選択肢として、素直に受けていますと答えました。
その後は「なぜ弊社を志望されたのですか?」の1つ目の問いと答えることは同じです。
事業会社の方が志望度が高いことを伝えれば問題ありませんでした。
「弊社に入社したら、どんなことに携わりたいですか?」
会社への志望度を確かめる質問です。
ポイントは、具体的かつニッチすぎない回答をすることだと思います。
例えば
最初の〇年は××で~~に携わりたい。その後は△△で~~と、会社の組織構造やビジネスを踏まえた回答を心がけるなど。
ここでも、上記と同様「△△のような仕事はあまりない」「それはすぐに出来ない」というような返答が予想されます。実際にありました。
しかし、相手の方が詳しいのは確実なので、無理に反論せず受け止めました。
その上で、上記のように答えた理由を一段階抽象化して、その抽象化した理由を満たせることをやってみたい、と論点を一段上にずらすイメージで回答すれば、問題ありませんでした。
「弊社での将来的なキャリアプランはありますか?」
1つ上の質問の関連質問です。
ここは夢を語っても構わないポイントだと思います。
大きく夢を語れば、面接官の方が年配であればあるほど刺さりました。
「それは難しい」と言われたら、あくまで夢なので大きく語ってみましたと訂正すれば問題ありません。
「長く働いていただけますか?」
中途面接なので、同じように入社して辞めてしまわないか、ということを確かめる質問です。
何でもよいので、納得できる理由を答えれば大丈夫です。
一番無難なのは、キャリア目標に沿っているから必然的に長く働くつもりであることを答える方法です。
「現在のお仕事ではどんなことをされていますか?」
自己PR系の導入質問です。現在の仕事を分かりやすく構造化して説明すれば大丈夫です。
「現在のお仕事で苦労されたことを教えてください」
自己PR系の質問の続きです。携わっていた仕事のレベル感を探る質問でしょう。
レベル感は何でもよいですが、最終的にPRにつながる回答になるように事前に考えておくのがベターです。
「現在のお仕事で得られたご経験を教えてください」
自己PR系の質問の真打です。今の仕事の経験をキャリアチェンジしてどう活かせるか?についての質問です。
2つの観点で考えれば答えやすいです。
・財務や経理と今の仕事で共通するスキルセットや仕事の特徴は何か?(共通性)
・財務や経理にはないが、今の仕事にはある強みは何か?(独自性)
「なぜ〇〇学部を卒業されたのですか?」
キャリア観や人間性を探る質問だと思われます。
今までの受け答えと一貫性がある回答を心がければ、そのまま答えて大丈夫です。
例えばかなり極端な例ですが
志望動機「海外勤務がしたいです!」
学部の理由「インドアで外に出るのが嫌いなので通信制の学部を選びました」
だと今までの受け答えがとたんにウソっぽくなりますよね。
考えが変わったのであれば、それを説明するべきだと思います。
「何か質問はありますか?」
定番の逆質問です。私は最低2つの質問を用意しました。
自分の志望動機と企業の実態が合っているかを確認するような質問をして、認識のずれがあればそれを直して二次面接以降に使える回答を作る感じで進めました。
二次面接以降で聞かれたこと
基本的には、どの企業でも一次面接の再確認と深堀りでした。
一次面接の対策をすれば二次面接以降も問題ないと考えてよいでしょう。
「なぜキャリアチェンジをされるのですか?」
一次面接と矛盾のない回答をして、相手の追加質問があればそちらに答えればクリアでした。
一次面接で相手の納得感が弱そうだった質問は、二次面接で再度聞かれる可能性があるので、事前に準備しておけば問題なかったです。
「海外を含む転勤は大丈夫ですか?」
海外転勤がある企業では聞かれました。大丈夫ですと答えて終わりました。
「長く働いていただけますか?」
こちらも一次面接と同じです。
あとは雑談というか談笑を行って、面接は終了です。
その場で内定をほのめかされて、数日以内に正式な内定通知が来ることがほとんどでした。
内定に近づくために必要だと思うこと
振り返ってみて内定を得るために必要だと思ったことは、以下の4つです。
財務・経理でやっていける根拠(資格や実績)を準備する
キャリアチェンジの場合は、志望動機に説得力を持たせるためにも
何らかの資格や実績があった方がよいです。
イメージでいうと
大手企業だと簿記二級では弱く、USCPAや簿記一級相当以上あれば説得力があり
です。
このサイトは公認会計士試験受験生を応援することが目的ですが
キャリアチェンジが目的であればUSCPAがコストパフォーマンスの観点で一番良いのではと考えています。
USCPAについてはこちらの記事もどうぞ。
USCPAって実際どうなの?難易度・転職事情・年収のリアルな事情
簿記や、公認会計士試験についてはこちらの記事をどうぞ。
独学で雑に簿記二級に合格すると、会計士試験に挑戦するとき困ります
社会人が働きながら公認会計士試験合格の現実と攻略法のまとめ
強いエージェントを使う
エージェントには賛否両論ありますが、ことキャリアチェンジに関してはエージェントを使うべきだと私は思います。
理由は2点あります。
・キャリアチェンジでは志望先企業が圧倒的畑違いなので、自分で作った面接の想定問答そのままでは太刀打ちが難しく、ある程度想定問答をブラッシュアップしてくれる相手が必要なこと
・面接結果が微妙でも、熱意で採用担当者に後押ししてくれる人がいれば採用可能性が高まること
1点目は別に知人友人でもいいですが、ある程度実績のあるエージェントであれば、企業の採用担当者の好みや性格に合わせたアドバイスをしてくれる場合があり、効果は値千金です。
2点目はエージェント自身が会社に対して採用を働きかけてくれることがあるので、採用可能性を少しでも高めるためです。
逆に言えば、元業界人でもなければ、採用担当者のことも良く知らないエージェントは使う意味がありません。
また、自分が採用されなくても他の人を採用させればいいという「数で勝負する」エージェントも使用価値が低いと言えるでしょう。
個人的には、二番手以降、出来れば業界特化型や会社特化型のエージェントを使うべきだと思います。
私が使った具体的な会社などは追って紹介しますね。
想定問答を作る
当たり前ですが、上記の質問に対しての想定回答を文章で作り、論理的に矛盾がないように最低限手直しすることが必要です。
新卒の就職活動でもないので、数日間かければ十分だと思いますが、さすがにキャリアチェンジなので何も準備しないのは無謀だと思います。
最後は人柄で決まる
採用担当の方々が口をそろえて仰っていましたが、最終的には「一緒に気持ちよく働けそうか」で採用の有無を決めるとのことでした。
淡々と受け答えするだけでなく、面接官の方との会話を楽しむつもりで、(将来の)上司との面談をするようなつもりで面接すれば、あなたの人柄はきっと伝わると思います。
変に人格を繕う必要はなく、礼儀正しく友好的に接することができれば問題はありませんでした。
私の実体験を踏まえて、未経験キャリアチェンジの面接対策についてお伝えしました。
何も実績がない新卒の就職活動と比べれば、たとえ未経験からの転職でも、転職活動は正直に言ってヌルゲーという印象です。
ちなみに監査法人の面接は、これとは比べ物にならないほど楽でしたので、最低限こちらの記事にあるような質問に答えられるようにしておけばまず問題ないはずです。
コンサルティングファームの場合は、外資系戦略ファームや、トップティアの外資系総合ファームではケース面接を通して実務に使える程度の知的能力があるかを見られるので、少し対策の毛色が変わりますね。
今後機会があれば、監査法人やコンサルティングファームの面接実体験と対策についてもまとめていきたいと思います。
この記事がお役に立てば幸いです。
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